日本における平和教育〜アーカイブへのアップに寄せて
日本における平和教育(1998年)〜アーカイブへのアップに寄せて
222ページからなるこの労作は、第1部「広島の平和教育」と第2部「教科書にみる平和教育」からなる。前者は広島支部による、県内公私立の中高を対象とした平和教育の名称を持つ特設科目のカリキュラムと、その実情調査のまとめ。後者は、当時のJAUW教育委員会(現 調査・研究委員会)が、戦後から1997年当時までの社会、国語、英語の複数の教科書を調べ、戦争と平和に関する記述内容を時系列で並べ、分析を加えたものである。
序文によると、1992年に湾岸戦争が終結した直後にJAUWが平和学研究のための募金を会員に呼びかけ、1995年の第25回IFUW(現GWI)横浜総会においてIFUW-JAUW平和研究奨学金の設立に至り、翌年、日本を含む5ヶ国の大学女性協会・連盟が助成を受けて各国での調査を始めた、とある。JAUWは、1998年のオーストリア・グラーツで開かれた第26回IFUW(現GWI)総会でこの調査結果を報告した。英語版は全46ページである。
敬愛する田中正子さん(元JAUW会長・元神奈川支部長)が当時のJAUW教育委員長として、このプロジェクトを統率し、まとめた功績は大きく、神奈川支部員の誇りでもある。今回、JAUWのアーカイブに収められることを心から喜び、安堵している。